フルート奏法悩み相談室

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フルートって見かけも音も美しい!とあこがれて始めたかたは多いと思います。 私もそうでした!

しかし、吹いてみると、まず音が出ない!!又、音は出たけど息苦しい!! 頭ふらふら状態、

まして、手や腕、肩まで痛い!こんな大変な楽器だなんて!と思っていらっしゃる 方も多いと思います。

すべて、奏法で解決できます。ちょっとしたアドバイスで、解決できることも あるかと思います。

フルートの奏法で困っていらっしゃる方、どうぞお便り下さい。


珠玖加奈子(しゅく かなこ)


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相談:フルートを吹き始めて2年です。いつも息が苦しくてしかたありません。どおすればよいか教えて下さい。


アドバイス:ポイントは2つです。まず一つは、しっかりとした腹式呼吸ができているか!
一緒にやってみましょう!お腹に手を当てます。お腹を突き出したり、へっこましたりしてみてください。
何回か繰り返したら、今度はお腹を突き出す時に息を吸ってみましょう。息を吸った時に、お腹が突き出る
あるいはお腹が膨らむ感じです!何回か繰り返して見てください。次に、お腹を突き出して、息を吸ったらそのまま止めてみましょう。 お腹を突き出した状態で息を少しずつ吐いてみてください。できるだけ、お腹をへっこませないように! そう、いつもお腹を意識して、お腹で息を支えている感じにします。いっぺんに息が出て行くのを
防ぎます。息を吸う際、肩を上げないようにすることも大切です。
次に第2のポイントですが、腹式呼吸がしっかりとでき、お腹の支えができても、息の出ていくところ、(口の先) が広く開いているといっぺんに息が出て行き、苦しい状態になります。口の先の穴は出きるだけ小さくします。 しかし、力を入れたりしないこと!口の先で軽く声がでないようにプププププと”プ”の発音をしてみましょう! 口の先の穴がとても小さく感じられると思います。そのくらい小さな穴で吹きます。 ”プ”の練習は、あくまでも口先の穴の大きさを確かめるための練習で、実際に吹く時は、”プ”ではなく、 必ず”トゥー”とタンギングをしてお腹の底からしっかり吹きます。
息の吸い方とお腹の支、口先の穴の大きさ、気をつけてみてください。 又、いい音がでるポイントで吹くこと、そおすれば、息が長く続き楽に吹けるようになると思います!珠玖加奈子


相談:フルート歴3年強のxxxと申します。相談があってメールいたしました。 今木管5重奏をやっているのですが、音量が小さいと良く言われます。 音が小さい原因はブレスにあるような気もするのですけれど、どうやったら大きな音が 出るようになるか教えてください。
それから、ビブラートを上手くかけることができません。 60拍で4連符程度ならできるのですが、それ以上はどうしても無理なのです。 どうしたら良いでしょうか。 どうぞよろしくお願いいたします。

お便りありがとうございました。木管5重奏をされているとの こと、仲間とともに音楽ができて、何よりですね。フルートめきめき 上達されるといいですね。 さて、音量が小さい悩みを持っていらっしゃるとのこと、音量を増やす ために以下のことをチェックしてみてください。

@しっかり息を吸ってお腹の底で支えてしっかり吹くこと お腹の底からしっかり支えて息を出すことは、わかっていても、できて いない場合があります。 まず、少し大げさなくらい、たくさん息を吸った後、お腹の底を突き出す ようにしながら、しっかり吹いてみてください。これまでより、音は多少 大きくなるはずです。

A頭部管を少し外側へ向ける お腹の底からしっかり吹いても、頭部管が内側へ傾いていると 息が管の中に入っていきません。頭部管の穴は地面と平行になるように、 内側に傾かないように、少し外に向けるようにするとよいと思います。

B唇は横にひかないで口先に小さく集中させる 唇を横に引くと息の出が悪くなるだけでなく、しっかり吹こうとすると、震え が起こりやすくなります。どちらかというと、口の前、唇の先端に息が集まるよう に、(小さく”プ”と発音した時のような口)そして、そこへお腹の底からしっかり と した息をかけてやります。口の周りは力まず、楽にした方がよいです。

C的に当たった音を選ぶこと @お腹の底からA頭部管を少し外へB口の先端にアンブシャーを集中させる この3点を注意しながら、無駄のない、的に当たった音を自分で確認して 行きます。息ばかり多くても、吹いていて風音ばかりで苦しいですし、 口の穴を集中させても、適した位置に息が当たらなくては、いい音になりません。 耳を頼りに、真に当たった音を見つけていきます。その際、必ず、 お腹の底の支え、お腹の底から息が出ているか、確認してください。

ビブラートについて メトロノーム60で4連符程度できていらっしゃるということは、 息の強弱でつけている基本的なものです。 もっと早いビブラートはお腹の支えと、息の強弱 のビブラートに、少し喉を使うことになります。 しかし、これはへたをすると、チリメンビブラートという、喉だけの 悪いビブラートになってしまう危険性があります。 しっかり、お腹の支えのある息で、これまでのビブラートをかけながら、 少しずつ息の圧力を上げながら、喉の奥を揺らしてかけていきます。 あまり、喉を意識しすぎると、悪い結果になってしまうので、 できれば、専門家に見てもらうことをお薦めします。

美しいビブラートはフルートにとって本当に魅力的ですね。 これまでの、ビブラートの延長線上に早いビブラートがありますので、 あせらず、息圧を上げることを意識されるといいかと思います。 (息の圧力が少ないと、遅いビブラートしかかかりません。)

なかなか、文章で奏法をお伝えすることは難しいですね。 理解いただけたかどうか、心配です。又フルートの奏法は個人差が 大きいですので、あくまで参考に試されてください。 又、こちらは川崎にて(JR川崎、京急川崎駅徒歩3〜4分)レッスンして おりますので、(ワンレッスンもO.K.です)もし、わかりにくいようでしたら、 是非、いらしてください。 それでは、お互いにフルートを愛するもの同士、いつまでも 上達めざしましょう! お便りありがとうございました。珠玖加奈子

相談:私は中2で、フルートを吹いています。経験2年目です。相談なんですが、
1、息もれがひどいときは、本当ひどいんです。最近はだいぶよくなったのですが、やっぱり少し気になります。どうしたら、息もれなしのきれいな音がでるのですか?
2、今ピッコロも練習中なのですが、ピッコロを吹いたあと、フルートを吹くと、高い音がでないんです。
3、トリルが早くできないのですがどうしたらいいのですか?
よければ教えてください!!


お便りありがとうございました。 中2で経験2年目とのこと、吹奏楽団でフルート吹いていらっしゃるのでしょうか。 さて、ご質問の件、これまでの指導の経験や私自身の体験に基づき、 お答えしたいと思います。
1.息もれがひどい件
口の先から出した息がきちんとフルートのエッジに当たって いないと息もれの音になります。その原因は
*頭部管の向きが外過ぎる!(しかし、内側になりすぎるより多少外側に 向けて練習する方が、将来のためには良いと思います!)
*口の穴が大きすぎる!(口のまわりの力を抜いて、唇の先に小さな穴を作ってみましょう!)
*息の量が多すぎる(そっと吹いてみましょう!その時必ず、 おなかに力を入れ、おなかの底から吹くように!)
他にもいろいろと原因が考えられますが、今回はこの3点をチェックしてみてください。 又、いつも”おなか”を意識して”おなか”の底から吹くように、そして鏡の前で自分の口の形や フルートの当て方など、チェックしてみてください。きっと、いい音になると思います!
2.ピッコロを吹いた後、フルートの高音がでない件
本来なら、高音がでるピッコロを吹いた後は、どちらかというと、フルートの 高音は出しやすくなるはずです。 きっと、ピッコロを吹く際、口の周りに力が入りすぎているのではないでしょうか? 唇を横に引っ張りすぎないこと!口の先に穴をよせるかんじ、ちょっと、おちょぼ口を 作ってみてください。そんな感じで口の先に穴が小さく開けられると、よいと思います。 その際、必ず、”おなか”!”おなか”を意識してくださいね!
3.トリルはが早くできない件
ゆっくりから、じっくり練習していきましょう。指の問題は練習でかなり解決できます。 しかし、もともとの指に力が入っていたり、持ち方が不自然ですと、いくら練習しても 効果があがりません!フルートの持ち方、構え方をもう一度チェックしてすべての 指がリラックスしているか、確かめましょう。後は、こつこつと時間かけて練習しましょう。 トリルの指使いに関して、もし困った時は、又連絡ください。
今回は、以上のような返信となりましたが、なかなか言葉でいい表すことは 難しいですね。いろいろ試してみられて、又、是非お便りください。お待ちしています! ミュージック・ヴィレッジ 珠玖 加奈子(シュク カナコ)

相談:はじめまして。相談があってメールいたしました。私は、フルートを吹き始めたときから、舌を下の歯のすぐ上にくっつけて吹くくせで、 3年目の今でもタンギングができません。舌ではなくて、息で音を切ってる感じです。上の歯の手前でタンギングする練習は何回も したのですが、中音もでません。今までむの吹き方だと吹いたときに下唇が出る感じで、いつも音程が低くなってしまうんです。 スタッカートもやりにくいので、今後のためにもやっぱり吹き方を直した方がいいでしょうか?もしよろしければアドバイス下さい。


お便りありがとうございました。お便り頂いて本当にびっくり しております。といいますのは、その”舌を下の歯のすぐ上にくっつけて吹く くせ”、実は私も全く同じ吹き方をしていました。 12歳でフルートを吹き始め、何と音大に入るまで全く気づかずに いました。私の場合、舌の先を下の歯にくっつけたまま、タンギングは 舌の真ん中くらいを動かしてタンギングまがいなことをやっていました。 音大2年の時、友人らから”何か変だ!”と言われ、始めて自分が 変な奏法をしていることに気づきました。
それからは、本当に○○さんと同様、悩みました。おっしゃる通り、 正しいタンギングに直すと、音が全くでないのです。これまで吹いてきた 曲も、何もかも吹けなくなってしまう辛さ。本当にわかります! 私は、この変な奏法でも、取り敢えず 音大にも入り、コンクールにも入選できた、このままやればいい?? しかし、このままではいけない!という気持ち。本当に葛藤しました。 結局私はよく考え、結論を出しました。これからずっと、フルートを やっていきたい。もっともっと上達したい!しかし、この奏法では必ず、 行き詰る日がくる!一生やるんだから今、頑張って直そう!と決心しました。
しかし、その努力は並たいていではありませんでした。 それまで吹いていたコンチェルトやソナタ、いろんな曲をすべてやめ、 生まれて始めてフルートを持った日に戻りました。 ”頭部管での練習”そして、”メリーさんの羊”を毎日くりかえしました。 涙がでるくらい、辛かったですよ!”メリーさんの羊”を吹いている音大生 なんて、前代未聞!友人たちはドンドン上達していく中、取り残されて いく感じ。しかし、これは今だけのためでなく、一生吹くフルートの 上達のため、と頑張りました。又、その時、フルート仲間や先生方が、私を 支えてくれました。試験の時など、子供が吹くような曲しか吹けませんでしたが、 理解し、みんなで励ましてくれました。
奏法を直し始めたころは、全く音が出ず、大変でしたが、初心者に 戻ったつもりで、鏡の前で頭部管での音だしをコツコツやりました。そうするうち、 曲ばかり吹いていると絶対に学べないこと、”いかにフルートは音が大切かが わかってきました。基本にもどり、お腹のそこから吹くこと、唇のまわりに力が 入り過ぎないこと、リッププレートの当て方、穴のふさぎ方、息の角度、等々。 もう一度すべてをやり直すことで、いい音を作ることの重大さがわかってきました。 ”今、曲は吹けないけど、頭部管だけで、世界一の音を出すんだ!” という誇らしい気持になれました。
あれから約30年が経った今、本当にあの時直しておいてよかった! と思うばかりです。直さず、あのままでいたら今の自分はなかったように思います。 大変でしたが、そのことでよりフルートに愛着がわき、楽器が私の体の一部と なった感じがします。 又、そのことで、奏法を見直したり、基本に戻ったりすることはフルートを 吹き続ける限りやっていかなくてはいかないことに気づきました。 10年前にも、又メリーさんの羊からやった時期があります。プロになってから 15年目、自分の音、奏法をもっともっとよくしたい!と思い、暫く演奏活動を停止し、 鏡の前で”メリーさんの羊”を来る日も来る日も吹きました。 よく考えると、一生こうやって進んでは止まり、進んでは止まりして上達 するものではないでしょうか? フルートをはじめて35年経った今、演奏活動をしながらも、まだまだ、 まだまだ!もっと、もっと、うまくなるぞ!と頑張っています。 これでよし!という日は一生こないのかもしれませんね。
○○さんの場合、どんなお立場かわかりませんが、直してみられては いかがでしょうか?きっと、このことで、もっともっと得られる大きな何かが あるように思います。もし、直していかれるとしたら、できるだけアドバイス させていただきます。心から応援しています。
自分と同じ悩みをお持ちでしたので、つい、熱がこもって長い文になって しまいました。これからも頑張っていかれてください!

フルート奏者 珠玖 加奈子

 

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